さてパチンコにずっぽりハマってしまった私であるが、学生時代は地元の仙台でほとんど毎日パチンコをしていたのである。最初のうちはあちこちの店に行っていたが、すぐになじみの店というのが出来て、毎日のようにその店にばかり通っていたものであった。
その店は今は懐かし「二日町ゲームセンター」である。この店は仙台市の中央やや北部の二日町という所にあり、旧国道4号線の1本西側の通りに面していた。ちょっと変わった作りになっていて、半地下とでも言うのだろうか。道路からは半分地下に入る感じで入っていく店であった。
なぜそこがなじみになったかと言うと、何と言っても感じが良かったのである。
店の雰囲気だけでなく店員さんたちの対応も実に良く、たとえ負けても気分が良かったのであった。もちろん、そこそこに出たというのも大きな理由である。
そこには本当に大学を卒業し就職するまで、良く通っていた。大学には自宅から父の車を借りて車通学していたが、その途中にその店があったことも大きい。授業の前や後に良く通っていた。
一番の思い出は、やはり店員さんたちと仲良くなったことであろう。店員さんは皆、結構な年配の男性ばかりであったが、すぐに仲良くなり、パチンコの合い間にもいろいろと話をしたものである。
「今日はどうだい?」 「いや〜、出マヘンなぁ〜☆」という会話である。
特にすごかったのは、あまりに負けている時、店員さんも分かるのであろう、そういう時はすっと後ろに来て台を空けて、
何と!チューリップに玉を何発も入れてくれるのだ!
そうすると、チ〜ン、ジャラジャラ、と玉が出てきて、あっというまに下皿まで玉が溜まってしまう。あっけに取られていると店員さんが「おいっ、これでもう少し頑張れ!」と言って笑って去っていったものである。
もちろんそれは店長には内緒の行為であろう。しかし、そうした店員さんの思いやりがとても嬉しかったことを今でもはっきりと覚えている。
今では考えられないことである。古きよき時代であったのだろう。
私にとっても良き青春の一コマである。
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